私にとっての海外語学・大学留学の意味

初海外からかれこれもう12年以上経つが、私が初めて日本をでたのは年齢にすると24歳。
今の感覚からすれば、遅いであろう。
その当時は、役者で有名になるというエゴがとても強い時期であり、日本からでるのも自分の夢実現の為のエネルギーを蓄える為であった。
誰から薦められたわけでもなく、状況的に日本の外へ一回でてみる必要性を自ずと感じとっていたのであろう。
又海外で生活することによってどんな状況でも冷静でいられる自分を創りたいという欲望も潜在的にではあるが感じていた。
後者の欲望は、今もって私の最大の課題ではあるが、その当時からうすうすは感じていたようだ。
これまで海外での滞在は、今回を含めて3回であるが、1回目は24歳の時。2回目は27歳の時。そして3回目の今回が32歳の時。
1回目は、カナダに5ヶ月滞在。そしてニューヨークに2ヶ月。その後韓国、インドに2週間ずつ。
1回目で自分自身が得たものは、日本を表面的に客観視できたことくらいであろうか。カナダ、アメリカに身をおくことによって、日本の足らない所、又インドを旅行することで、日本の恵まれている所を自分なりに感じとることができたのだ。
そして2回目は、ニューヨークに芝居の勉強という目的で8ヶ月滞在。
この目的は結局達せず、ある意味挫折を味わい、帰国。しかし、帰国後自分を改めて見つめなおし始め、それが仏教の書物(ダライラマ14世著)との出会いにつながる。
そして有名になる欲望が徐々に冷め始め、生きる上で何が一番大切かを熟考する機会に恵まれた。
そういう意味では、2回目の渡米が自分の人生での最初の転機になったともいえる。
そして3回目は、アメリカ大学卒業を目的として再渡米し現在に至り、今年で6年目の滞在となる。
3回目の渡米時は年齢的なことも関係して、1回目、2回目に比べ恐怖の度合いははるかに大きく、出発直前まで渡米という現実を直視できないでいた。しかし、3回目は以前2回とは異なり妻と一緒で1人ではない為、孤独感からくる怖さはなかった。ただ、バイト面で又ウェイターをやらなければならない状況がくるのかなと考えると気が重くなったりもしていたのだった。
実際、妻の仕事はスムーズに見つかり、又私自身のバイトも過去の多少の経験を活かせる教える仕事を奇跡的に得ることができ、渡米生活は良い方向に進んでいった。
今回、3回目の渡米は形としてのいくつかの重要な出来事があった。子供の誕生、そして大学卒業である。
この5年間、それなりに色々あったが、自分自身が得たものは学生生活をおくりながら、生きる上で何が一番大切であり何がそうでないのかが、自分の中でよりはっきりしたことであった。
総合的にみれば、私の海外語学・大学留学は、形的にはコロンビア大学卒業という出来事。そして中身的にはとてつもなく大きいものを得た。そもそも自分にとって留学の目的は、内面的なものが大きくアカデミックなものではなかったが、コロンビア大学という名の知れたある意味めちゃめちゃアカデミックな学校に通えた自分は幸せ者である。
今回の渡米ではアメリカの大学を卒業するという目的は達成した。
そして今後どうするかという話になるが、渡米当初は色々な人種が生活しているというある意味自然な環境に魅力を感じ、大学卒業を利用してアメリカで生活を続けていきたいという気持ちがあった。
これまでアメリカに5年間生活してみて、日本、アメリカそれぞれの文化における長所、短所はそれなりに把握できた。それもふまえ、まだまだ外国人を受け入れることが中々できない日本の閉鎖性を思うと、自国での生活に戻るのはある意味、息苦しく気持ちも重い。
ただ、日本にいる家族のこと、又今後自分の残りの人生において一番大事なことを実行していくことを考えると、自国日本で生活を築いてくのがベストかなと考える。
又アメリカでの大学卒業後の就職はただでさえ難しいのに、企業に勤めたいという気持ちは皆無に等しいので、正攻法でアメリカの生活を続けていくのは現実的に不可能である。
又一方でアメリカ国籍でもある娘の将来を考えると、日本での教育はいかがなものかと疑問をもつ。アメリカの教育が日本より優れているとは一概に言えないが、子供には色々な人種がいて色々な考えがあって当たり前という感覚は基本的に身につけてほしいものであり、言葉の面でも英語は若いうちに習得させてやりたい。
そんなこんなで、現在はまだ迷いがある。
今年の9月中旬まで、仕事を得なくても滞在は許されているが、現実問題、何か大きな行動を起こさない限り、帰国は必然となる。
どういう状況にしろ、動く時はよりポジティブな形にもっていくつもりだ。
仕事、家事、育児の両立を妻にこれ以上続けてもらうのは、あまりにも自分勝手というもの。
家庭をもっている限り、父親、夫としての自覚はもっと必要である。
繰り返しになるが、今回のアメリカ生活を通して内面的に得たものは大きい。

それを自分の今後の人生にいかに役立てていくか。不安もあるが、楽しみでもある。

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